ウズベキスタン映画「Luna Papa(ルナ・パパ)」(1999)
この作品、何カ国もの製作で、ニホンからはユーロスペースが加わっているらしい。
出したお金はたいしたことないとおもうけど。
ただし展開されるストーリー、というか脚本にどの程度、パトロン側がからんでいるかが知りたかったな。
ニホンでは’99年に上映されたとのこと、東京国際映画祭にて。
エキゾチックな世界が広がっている。砂漠、荒野かとおもえば、湖やら河やら。イスラム社会かと思えば演劇フリークがという具合。
孕んでしまった演劇フリーク女の子と気の触れた兄、頭の固い父親の面々が、女の子の相手を見つけてうろうろするというドタバタ喜劇調になっているかと思いきや、随所にシリアス場面も混じり、それこそ波乱万丈で楽しめる。お客がぼちぼちしかいないのに、人一倍げらげら笑ってたから、かなり目立ってしまったゼ。
劇中劇で、オセロが出てくる。エディプス王もでてくる。そういえば、オビディウスが流刑にあったのもその辺りではなかったっけ。
自分の子どもの父親探し、しかしこれはある意味でイスラム社会におけるフェメニズム探しの映画ではないかとおもった。
ストーリー的にはいわゆる魔術的リアリズム的といったところかな。エバ・アジェンデのような。
でもこの監督、ウズベキスタンのエミール・クストリッツァと呼ばれてるんだそうな。でもエミールほどの器はないとか。。。そこまで言われると、たしかに頷いてしまいそう。
(2005/11/19)