インド映画「Water」(2005)



・「Water」、Deepa Metha, 2005, インド、カナダ

監督はカナダ在住で、Earth, Fire、につづく三部作で、その過激な内容でかなりのリアクションを生んでいるとか。

 30年代のインド。小学の低学年あたりで幼年結婚させられ、見ぬ相手の死亡によって「未亡人」にさせられてしまった女の子は、未亡人ばかりの尼僧院にいれられ、生涯をそこで暮らすことになる。沐浴する河のほとり。あらゆる世代の未亡人が巣食うその場所は、アヤシイところでもあり、金持ち向けに売春を強いられている女のひともいる。
 この女のひとが、カースト上級の青年と恋に落ち、意外な方向へ。しかしけっきょく、社会の圧力に屈し、女の人は水に没する。

 青年は社会に不満で、女の子もこのままここに埋もれるのを唾棄している。
 釈放されたガンジーが駅にて講話をもち、その列車にこの二人は飛び乗る。

 60、70年代あたりのアメリカン・ニューシネマの雰囲気もある。テンポがのんびりしているのは仕方がない。
 ちなみに、インドではいまなお未亡人については、ほぼ同じような状態が続いているとのこと。


(2007/06/03)