邦画「ジョゼと虎と魚たち」(2003)
犬童一心監督。
ビデオにて「ジョゼと虎と魚たち」を見る。
ステレオパターンではない障害者。
というか、ひとりの若者の軌跡自体だとも言える。
お聖ちゃんが、ここまでやるなんて、いまさらだけど、ちょいびっくり。まあ、たいていのひとはもう見ちゃってると思うけど。
でも、やっぱり通り一遍のことしか感想を書けそうもない。
ただひとつ言えることは、食べ物のおいしさが物語に厚みを与えているということかな。
とにかくきれいごとでは片付かないニンゲン関係。
いや、ニンゲンにまつわることはこれすべてきれいごとでは片付かないのだ。強引に押し切ってしまうひとびとが多いのもたしかだけど。
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それに障害者とセックスというモンダイも、それほど古いものではないけど、あんまりメジャーに取り扱われることないものね。
ともかく、ひととひととが絡み合うとき、そこでなにが巻き起こってくるか。それに関心を持たなくては。これって要するに自戒なんだけどね。
まあ、公式をビミョウにはずしたような作品だったので、注目されたということもあったでしょうねえ。
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かつては障害者にとっては欲望というのはタブーと決め付けられていた頃があったはず。でも今では障害者の欲望もようやく市民権を得てきた模様。あるいは健常者はほかにいろいろな活動をもてるがゆえに、欲望というものを軽視できる場合もあるだろうけど、障害者はそれこそ自分のなかに沸き起こってきて、ときとして自分でもどうしていいのかわからないような欲望にたいして面と向かい合わなくてはならない機会が多いのかもしれない。まあ、わたしがこうしてどう吠えようが、現場のひとの思いをどれだけ汲みとれているのかギモンにも思ってしまうのですが。