ウルグアイ映画「Whisky」(2004)

 ・「Whisky」、Juan Pablo Rebella、Pablo Stoll、2004、ウルグアイ

 いつもnarrativaとはどんなものか考えている。
 もちろんストーリーがあればいい、なんて子ども騙しは信じてないつもりだ。

 全編が詩、かつ寡黙なのだが、それでいて、声に充ちているともいえる。不思議な作品だった。舞台劇のようでもあるし。球になった小宇宙のようでもあったし。究極のシンボリズムか? 観ているあいだじゅう、神経が張り詰めていた。
 こういう脚本を書けるひとを羨むよ。

(この監督による新作を待ちわびたいのだが、後日、フアン・パブロ・レベジャが死去、それも自殺だったらしいという知らせを知る。監督ふたりはユダヤ人らしく、南米のうらぶれた雰囲気は、オネッティの雰囲気ももつ)



                  (2006/01/27)