イギリス映画「Bread and Roses」(2000)

 ・「bread and Roses」、Ken Loach, 2000、イギリス

 今日はTVにてケン・ローチの”Bread and Roses"(2000)という映画を観てた。

 米国に渡るメキシコ(密入国)移民。いままでは、すくなくともわたしが映画等で観てきたケースでは、移民者たちは農場やら郊外労働が多かった気がする。しかしいうまでもなく、都市部にだって移民者はいる。そしてこれも何度も言い古されてきたことだけど、密入国者の労働で米国社会は事実上、成り立っている。郊外でも都市部でも。
 いまではどの「先進国」でも旧植民地系からの合法・非合法の移民者が溢れかえっている。フランスへはアルジェリア人、ドイツへはドルコ、イギリスへはインドやらカリブ海系といった具合に(図式的だけど)。でもいちばんモンダイで満ちているのは米国へのメキシコ人移民者。

 さてストーリーは搾取にあえぐロスの清掃作業員のユニオンへの闘い、そしてそこには家族の、姉妹の葛藤が混じりこむ。
 ケン・ローチはじつに立派な社会派映像作家。ユニオンについてはやや公式的。でもその公式的な構造がいまだにビンビン生きてるっていうのもモンダイだな。
 ローチはニカラグアについても撮ってる。それ、ニホンで録画したことあるけど、まだ観てない、人に貸したとき、終わり気が切れてるというので気後れ中(あのお、観てない映画のことはケッコ〜ですが)。目配りが広い。

 このモンダイはやっぱり、米国の本質にかかわってくると思うんですよね。だから一朝一夕に解決できない、というか、ますますモンダイ化する恐れだってある。
 しょうがない。このさい、関心を持ち続けることしかできないんじゃないかな。さいわい、いろいろな表現の場にて、このモンダイは目覚しく取り上げられるようになってきているし。


               (2006/01/19)