「ヒットラー〜最期の12日間〜」(2004)


ドイツ・オーストリア・イタリア「ヒットラー〜最期の12日間〜」、オリヴァー・ヒルシュビーゲル、(2004)

 あんまり見る気はなかった。
 内容はほぼ予想できるもの、とたかをくくっていたから。
 「ヒットラー〜最後の12日間〜」を昨日、見た。

 しかし、ヒットラーとその側近のやりとり、ここはもちろんヒットラーの秘書がからんでくるのだが、ドラマの密度が高く、ぐったりするほど疲れたが、やはり見ておくべき作品。
 このドラマ性というのは、ドイツの敗北という限界状況下で描かれているだけに、そして展開は見ているだれもが知っているのにもかかわらず、テンションが高い。

 もちろん何度でも、ニホンのケースを思い起こしてしまう。
 ニホンの場合は、ヒロヒトさんはともかく、側近のあいだでも高いドラマ性が展開された。
 そのドラマというのももとはといえばフィクション(つまりアーリア民族の世界支配だとか、八紘一宇だとか)であるから、だれかが「王様はハダカだ」と声を上げればぐらぐら崩れていってしまうようなもの。
 それにしても最終最高責任者としてのヒットラーと、やはり張り子のトラでしかないヒロヒトさんとの違いは、丸山真男がよく言っていたように、とほうもないナ、と実感する。
 でも外側から眺めている分には似通っている。
 う〜ん、指導者か、システムの問題か。。。(と、この先を続けたいのにここで終わってしまう不甲斐なさ(自分にね))

(2005/09/18)