2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ニホン映画「犯された白衣」若松孝二、1967、ニホン

唐十郎の主演で若い青年の内面の弱さ、および小集団としての女が描かれるが向こう側まで達するためにはヴァイオレンスというメタファーが欠かせない。 悪とか行為についてまで考えることもできるがそれも狙いであったのかどうか。 少年の内面こそ解き明かさ…

米国映画『her/世界でひとつの彼女』, スパイク・ジョーンズ、2013、米国

『her/世界でひとつの彼女』, スパイク・ジョーンズ、2013、米国 都会の孤独のなかでOSのなかで生まれた女のひと(人工知能ということ)に恋する男の話。生身の女のひととはうまく行かず(離婚調停中でもあり)ヴァーチャルとしてフィクションとしての女…

米国映画"American Hustle(「アメリカン・ハッスル」)", David O. Russell, 2013, 米国

"American Hustle(「アメリカン・ハッスル」)", David O. Russell, 2013, 米国 おとり捜査によるサスペンス物、しかしそのチームは手際はよくても滑稽なところがあるのでヒューマンであるともいえる。とにかく騙し合いが徹底。 この手のものはあまり好きで…

オーストラリア・ドイツ映画"Lore(『さよなら、アドルフ』)", Cate Shortland, 2012, Australia・Germany

"Lore(『さよなら、アドルフ』)", Cate Shortland, 2012, Australia・Germany 女の子の感性が敗戦を迎えたドイツにていかに捻じ曲げられるか、すべてを担い、どんな苦しみを背負って弟たちと森を越えて生き延びなくてはならなかったか、ただただスクリーン…

米国映画"Blue Jasmine", Woody Allen, 2013, US

ウッディ・アレンの最新作『ブルージャスミン』見る。 中年セレブレディの転落ストーリーであり、いつものように神経症的トーン強し。 米国社会への風刺も上から下まで濃厚。 そんななかでもなんとか立ち直ろうとしながらもうまくいかないといういじらしさに…

ニホン映画「天使の恍惚」、若松孝二、1972、DVD

「天使の恍惚」、若松孝二、1972、DVD ニホンにおいて革命の先鋭たるゲリラの爆弾闘争とその指導方針とその分裂をめぐったもの。いわゆる目的は手段を正当化するという前提で在日米軍からいかに兵器を入手するかに血眼。そんな青春がかつては存在したの…

フランス映画“Only God Forgives(オンリーゴッド)”, Nicolas Winding Refn, 2013, フランス・デンマーク

“Only God Forgives(オンリーゴッド)”, Nicolas Winding Refn, 2013, フランス・デンマーク タイのバンコクを舞台にしたマフィアとポリスの抗争の作品。利権と抹殺ということはドラッグがらみの世界のどこにでも起きうる次元の話であり、非情なヴァイオレン…

フランス映画”Dans la maison(危険なプロット)”,François Ozon, 2013, France

”Dans la maison(危険なプロット)”,François Ozon, 2013, France フランソア・オゾン『危険なプロット』見る。洒脱な展開はウッディ・アレンを思い出させる。ある高校の作文の作成、そこでの家庭生活ということでテーマ自体に大きな意味はないがフィクション…

フランス映画"Populaire(「タイピスト!」)",Régis Roinsard.2012, フランス

"Populaire(「タイピスト!」)",Régis Roinsard.2012, フランス 地方の女の子が都会へと出ていくことを夢見て、優秀なタイピストになろうとしてすべてを犠牲にしながら企業トップおよび世界コンクールを通じてスターとなっていく。さらにはボスとのロマンス…

英国映画“Berberian Sound Studio(バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所)”, Peter Strickland、2012、U.K.

“Berberian Sound Studio(バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所)”, Peter Strickland、2012、U.K. イタリアのホラー映画製作のために呼ばれた英国人音響技師の奇妙な体験。映画製作の裏側を見せてくれるが遣り取りがちぐはぐで興が失せる。感情の無意…

チリ映画"Gloria(グロリア)", Sebastián Lelio, 2013, Chile・Espanaチリ・スペイン

見始めたらそんなに面白そうな作品でもないような気がしたが、じつはけっこうインパクトをあちこちで生んだ作品であったらしい。 夫と別れ成人した子どもたちからも離れた女の生と性。 有能ではあるが空虚さをいかに埋めるかに苦慮。 いろいろなことを試して…

フランス映画"La Maison de la radio(ラジオの館)", Nicolas Philibert (2013),France

フランスの誇るドキュメンタリー映画作家が、フランス国際ラジオ局のまる一日の活動を追った作品。 なるべく包括的な視野を得ようと心がけながら、それでもオフィシャルではない、明と暗の双方を描いている。 しかしその中心はこれだけの放送を実施するため…

ニホン映画『そして父になる』是枝裕和, 2013年、日本

『そして父になる』是枝裕和, 2013年、日本 六年経過後の赤ちゃんの取り違い事件の経緯、はたして六年いっしょに暮らしてきた者といかなる感情的(愛情的)合理化をはかればいいものか、もちろんだれでも当惑する。しかし結局、血のつながりが尊重される。 …