2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧
カフカの作品をわたしたちはどのように受け止めればいいのか、それをどう育んでいけばいいのか。 ここで狂言の言い回しやら、おどろおどろしいかたちでの、デフォルメされたかたちでのカフカが誕生。 これは知る人ぞ知るアニメ界の怪作であるが、その到達度…
なによりもMonica BellucciとVincent Casselという顔合わせが眼をひく。しかしもう15年もまえの作品で、まだ人気はそれほどではなかったのかも。 見方によっては通俗的なメロドラマのようにもみえるが、ひとつの部屋をめぐって、ドッペルゲンガーというよ…
スターリン治下のソ連にて、罪状をでっちあげられたひとをふくめ、シベリアの強制収容所へとおくられ、厳しい強制労働をしいられる。 このテーマでは、ソルジェニーツインの作品が有名で、このような強制労働のなかでひととひととの結びつきにおおいに意味を…
中央アメリカのニカラグアでは、独裁者ソモサ大統領を革命によって追放し、ついで革命政権を樹立させたが、米国のCIAの後押しにより、コントラとよばれる反革命勢力の脅威に苦しめられた。 同志を傷つけられ、イギリスの地にて沈みきったニカラグアのおん…
いわば見込み捜査のようなもので逮捕され、実刑をうけるにいたる。 警察側とすれば、なんとしてでも犯人をでっちあげなくては(もちろん、メキシコだけのはなしではないが)。 ひとたび、司法システムのなかで犯人としてでっちあげられたら、ひとたまりもな…
もう一度、ドキドキしよう.宣伝用コピーはうえのとおりで、すでにニホンで公開済みらしい。 主人公のおんなのひと、ピッパはつねに周囲に翻弄されるように生きてきた。 それはたんなる被害妄想ではなく、いろいろなことを味わってきて、ときにはいくらか後ろ…
メキシコの都市生活におけるユダヤ人世界のありさまが、ある老女ノラの死をめぐって描かれる。 その前夫ホセもちかくに住んでいるし、息子一家も遠くから駈けつけてくるが、その前夫はどうもユダヤ教に牛耳られたユダヤ人社会に嫌悪感を抱いているようで、話…
22チャンネルにて。 古い建物に長いこと住む住人が、建物改修を名目に退去を命じられる。 街の再開発というと聞こえはいいが、すべては利権がらみで、もちろんメキシコでもおなじことが起きている。 住民もいろいろな種類のひとたちがいて、その人間模様を…
アリシアはごく普通の家庭に育つ二十歳まえの女の子であり、自分を知るため、世界の果てをきわめてみたいと思い、単身、世界の果てへと旅立つ。 目的地はパタゴニア、氷と雪につつまれ、自分になにができるか、自分になにが起こるか、じっと見つめたいと思う…
四人ほどの子どもがいる、富裕な家庭にて女中をつとめるラケルはもう二十年以上、この家族に身をささげている。 じつに働き者のラケルを思いやって家族は、仕事の軽減をはかるべく、もうひとりの女中さんを雇う。 しかしラケルは、保守本能が働き、他の女中…
富豪実業家の息子が、やや階級のことなる女の子と結ばれて、幸せそうに暮らすがしだいに行き違いが目立ち始め(あまり具体的には描かれてなかったと思う)、その息子も実務家として成功するものの、私生活面ではかなり利己的。 しまいには奥さん、その女友達…
ひとの生というのは蓋を閉めてみるまではわからないとよくいわれる。 そのいっぽうで、生きてるあいだでもいくらでも充ちみちた幸せを感じ取ることもできるはずだ。 はたしてどちらがより真実にちかいものなのか。 たとえば企業人として、公的な顔の部分では…
イランの山間部の集落である婦人がその夫のたくらみによって不貞の嫌疑をうけ、叔母たちが必死に守り抜こうとするものの、最後は怒る村人たちによって石打の惨い刑に服し、死亡するという怖ろしい話。 その社会に蔓延するマチズムとともにイランの女性のおか…
かつてはよくニホン映画週間なるものを企画していた。 大学の文化局の講堂をその場所とし、作品は大使館から借りてきた。 毎年、在外ニホン施設にはニホンの新作映画が送られてくるので、作品選択に困ることはない。 作品はすべて16mm、なぜならDVDだ…
めずらしく韓国映画が上映されていたので覗いてみたら、カンヌでも話題になった作品だという。 しかしストーリーはごく単純で、ミニマル的でもある。 映画監督志望と詩人志望の若い二人の男が、故郷のおなじ港町に休暇を利用して帰るが、奇しくもおなじひと…
メキシコにかぎられたわけではないが、児童売買の問題は無視できない。 たとえ肉親が溺愛しているとしてもこの作品にみられるようにドラッグ中毒者で、何日も部屋にほっておかれるような例は、めずらしいわけではない。 ときのカップルの相手によって児童は…
いまだスペインの植民地、のちのメキシコではカースト(casta)制が根強く、身分制のもとで窒息するかのような雰囲気につつまれていた。 宮廷(貴族界)にて舞踊や祝宴をつかさどる一家は、政治的に苦渋をなめる。 しかしこの社会では虐げられているもののあい…