2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧
フセイン独裁の崩壊後、クルド族の父親をさがしに子どもが国中をまわる。 父親は音楽家らしく、湾岸戦争時に拘束されたまま行方不明。 子どもの祖母が付き添う。 一種のロードムーヴィー調ではあるが、戦乱のしたの祖国、それにもかかわらず生命感にあふれた…
階級が異なるが同じように彼方(国境地帯)への思い込みを抱く若い女が、たまたま居合わせ、旅を続けるというところはロードムーヴイー風。 しかし当然、行き違いやら誤解などは多いわけで、いまのメキシコ社会の縮図を彷彿させる。 それでも曲折をえながら…
やはりストーリーを語らなくてはならないと思う。 老年にさしかかったNYの男は人間嫌いでもあり、チェスを教えたりして暮らす。 そこで南部から家出してきた若い女と出会い、かかわらせられる。 日々、男も女の子のことが気になりだし、ついには結婚までにい…
アフガニスタンの荒野、タリバンにより石窟のブッダ像は破壊されるが、難民のような形でアフガニスタン人は石窟に住みつく。 ひとびとは、賃金動労さえあればどこにでもおもむくし、育児などもはや二の次。 わずかな数の子どもだけが学校に通える。 通えない…
むかし、国際交流基金が東アジア映画祭を催したころから、アジア映画に興味をもち、覗き見てきた。 たとえばアジア映画というとき、近代化以前の伝統的社会をどっぷり写し取ったものがいっぽうであり、またもう一方では近代化の渦中でどんな矛盾があらわれ、…
一夫一婦制は不条理であり、人間性にかなっていないとわたしは信じているが、こういうことはどんなに声高に叫んでみたところで揺らぐものはない。 しかし家族形態、夫婦形態、ひとの繋がりというのは歴史を通じておおきく変貌しているもので、ニホンだって平…
アウトドア好きの青年がユタ州の荒野をひとりで自転車で突っ走る。 現代の米国という機械文明の砂漠のなかで、荒野に乗り出すことは自分の回復そのものなのか。 しかし予期しない事故にみまわれ、岩石原の亀裂にはさまれ、身動きできなくなり、そのまま五日…
ウエスタンはあまり好きではない、その美学がしっくりとこない。 おそらくいまだウエスタンの真髄に接していないからではないかと案じてはいるが。 それでコーエン兄弟描くところのウエスタン。 十四歳の女の子が父親殺しの犯人を捜しまわる。 女の子には助…
米国は中西部か、ミズーリ州あたりのいなか、木立が貧相に生える地域で家畜ぐらいが生計のたしになる。 父親は失踪、母親は鬱病か、それで妹、弟たちを育てなければならない十七歳の少女は、ひとりで逆境に立ち向かう。 生計が思うままにならないなか、縁戚…